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不動産運用学研究室 | Real Estate Management Research Lab

投資運用資産に関する学術的アプローチ

「不動産学」はとても裾野の広い学問です。その理由は、同学問が「都市計画・建築・金融・法律など」のすべての分野が深く関わり合う<職・住>を包括的に治める実務的な学問であるからです。また、数学や理論物理学のように、純粋な理論のみで構成されてはおらず、実務的な知識や技能も要求されます。実務とは、理論が必ずしも成立しない場面を指し、経験則的に得られた知識や技能が必要であるということです。この理論と実務の両面を兼ね合わせた学問が不動産学です。

本研究室では不動産を「投資運用資産」として扱います。不動産には様々な側面があり、「良い不動産」の定義も見る角度によって異なります。建築士にとっての良い不動産とは「美しく快適な建物」といえます。法律家にとっての良い不動産とは「権利関係が整理された物権」といえます。都市計画家にとっての良い不動産とは「調和のとれた持続可能な都市」といえます。経済学者にとっての良い不動産とは「利用者の便益を最大化する財」といえます。本研究室にとっての良い不動産とは「安定的に運用できる投資資産」です。

「投資=お金儲け」と思われがちです。このお金儲けという印象を否定はしませんが、一方ではこの「投資」は、高齢者にとっての年金運用、そして若年者にとっての資産形成を意味します。これらは人々の生活に安寧をもたらす極めて重要なファクターです。そこで本研究室では「いかに多く利益を生み出すのか」ではなく、「いかに資産を安定的に運用するのか」もしくは「いかに内在するリスクを明確化させ管理するのか」に主眼を置いています。

なお、本サイトは、学術研究者としての鈴木の成果・進捗状況を共有する目的で設立されたものです。従ってここで公表する内容は鈴木が所属する会社・団体とは一切関係ないことをここに明記いたします。

不動産とは?

以下は恩師の著書からの二次引用です。不動産について、的確であり叙情的でもある私のお気に入りの表現です。

”私はあらゆる富の基礎であり、賢く思慮深く倹約を知る者たちの遺産である。 

私は貧しい者の楽しみと安らぎであり、富める者の栄誉であり、資産家の右腕であり、成功をおさめた者たちの沈黙のパートナーである。 

私は伴侶を失くした婦人の慰めであり、老人の安らぎであり、災難と困窮のときに生活を保障する礎石となる。私は、幾世代にもわたって子供たちに引き継がれる。あたかも偉大な資産であるかのように。 

(中略) 

私の価値はほとんど永遠の将来にわたって成長し増大する。私は冬眠しているかのように不動だが、私の価値は増大し続ける。下落することもないし消滅することもない。時間は私の味方である。人が集えばいっそう私の価値の増大に拍車がかかる。火を付けるなり何なりとしてみよ。決して私を破壊することはできない。 

(中略) 

すべてのものが衰退し朽ちていく一方で、私は生き残る。何世紀たとうと私は若くいっそう力強さを増していく。 

(中略) 

鉱物や石油は私から採れる。私は食料の生産者であり、船舶の基地であり、工場の基礎であり、堤防の土台である。 

私の存在があまりにもあたりまえのことなので、多くの者は意識せず気づかないで通り過ぎていく。 

私の名は、土地。”

(出典:Lou Scott, What is real estate ?(J. Harvey (1987), Urban Land Economics, Macmillan Education Ltd. 高辻・前川(1997). 不動産学の基礎. 財団法人放送大学教育振興会にて引用・翻訳 )